皆様、こんにちは。ダルマオーディオのAndyです。
　日々自社製品試聴する時、こんな現象に気づきました。中国の曲を試聴して、チューニング案Aより案Bのほうはいいと感じますが、日本の曲、特にアニメソングになると、逆のように感じます。 また、中国のイヤホン専門店の店員から、「日本のイヤホンは中国人に合わない」と聞いたことあります。

　日本人と中国人の美意識は近いと思いますが。なんでこんな現象あるのか、ずっと前から気になっていました。
　原因は美意識ではなく、聴くものの違いにあると思います。イヤホンは音楽を楽しむための工具です。音楽自身の特徴が違うと、イヤホンの音質がいいかどうかの判断も違うわけです。
　これを理解していただくために、今回は中国人オーディオマニアがよく聞く曲をご紹介します。

一． Hotel　California　By　Eagles

https://www.youtube.com/watch?v=UpKYy5UWn08

　これは中国オーディオマニアが音質確認の定番曲です。この曲で音場やライブ感及び各種楽器や拍手の存在感、位置感などをチェックすることができます。いろいろな音源ありますが、リンクのものは1.23GBの容量もある高音質のものです。

二．One I Love　By Mean

https://m.youtube.com/watch?v=Dli5WPpv6FY

　これは女性ボーカル確認の定番曲です。最初の1：13分まで、楽器の演奏はなく、歌手の声、ブレスや唾液の音からどれぐらいの感情を感じるかによって、イヤホンの中音域表現力、音の質感や解析度などがチェックできます。

三．The Forbidden Garden By Zhihui Lee

https://m.youtube.com/watch?v=ZvXW0jntRcw

https://m.youtube.com/watch?v=_mPaEIlq2zA

　同じ曲の演奏会音源2種類です。いずれもドラムからスタートして、バイオリンや中国の伝統的な高音楽器が登場して、主役となります。曲最初のドラム部分はイヤホンの低音確認、そのあとの部分は中音域や高音域確認用となります。この曲を使って、高音や低音のどちらかに寄りすぎるかのチェックができます。
　ただし、自分はこの曲を聞くたびに、なぜか泣きたくなり、音質判断に集中できないので、あまり音質確認に使いません。何を歌っているかわからないのに、曲から感じる何かによって感動するのは音楽の魅力でしょう。

四．Symphony　No　５　By　Beethoven

https://m.youtube.com/watch?v=jv2WJMVPQi8

　後日別途細かく説明しますが、中国ではハイエンドイヤホンよりスピーカーは10数年ほど先に導入して、今でももっと普及しているので、スピーカーで鑑賞するオーケストラ―の演奏会はハイエンドイヤホン使用のオーディオマニアもよく聞きます。
　オーケストラ―は交響楽とも言って、弦楽器、管楽器、打楽器、鍵盤楽器などの楽器が1声部を複数で担当し、指揮者により統制され表現するものです。更にピアノやハープを加えており、音のデパートと言えるものです。オーケストラ―から人間の抱く怒り、恐れ、慰め、祈りなどあらゆる感情や思想まで表現できるので、イヤホンの総合表現力がチェックできます。
　尚、次の音源は同じ曲のピアノ演奏です。ピアノの表現力チェックに使います。

https://m.youtube.com/watch?v=8QorZ9fcg3o

五．孤勇者　By　イーソン　チャン

https://m.youtube.com/watch?v=Hlp8XD0R5qo

　中国今年のヒット曲です。香港歌手イーソン　チャンが歌い、NETFLIXのアニメ『Arcane（アーケイン）』の中国語版オリジナル主題歌です。「孤勇者」というのは「孤独の英雄」との意味で、自分には「一人で頑張る」と理解しています。言葉は通じなくても、「一人で頑張っていく」という気持ちはどれぐらい感じるかの感染力はイヤホンの評価につながります。

　以上中国オーディオマニアがよく聞く音楽5曲をご紹介しました。自分には日本のオーディオマニアが聞く曲とだいぶ違うと感じています。その違いはイヤホンの音質評価に大きく左右すると思い、次回より詳細ご説明いたします。