Vento Conductor T-800
このたびダルマオーディオは、『Vento Conductor』というブランドを立ち上げ、自らの確信する「良い音」をオーディオマニアの方々と共有すべく、生の交響楽の感動をイヤホンで再現することを目標に第一号機「T-800」を開発しました。交響楽は弦楽器、管楽器、打楽器、鍵盤楽器などの楽器が1声部を複数で担当し、指揮者により統制され表現するものです。更にピアノやハープを加えており、まさに音のデパートと言えます。
製品スペック
- ドライバーユニット
- ・自社開発φ8.5㎜ダイナミックドライバー1基
・Knowles製BAドライバー2基
- ダイナミックドライバー材質
- 複合材質(ベリリウムベース)振動板
- 音響方式
- カナル型
- インピーダンス
- 16Ω
- 再生周波数特性
- 8Hz~30KHz
- 出力音圧レベル
- 110dBSPL/mW
- 最大入力
- 200mW
- 筐体材質
- ハウジング:合金
フロント:銅
ノズル:銅
- 質量(ハウジングのみ)
- 11g×2個
- ケーブル
- 銅導体(N6 OCC)+銀メッキ
- リケーブル仕様
- 2pin 0.78mm
- プラグ径
- φ3.5mm
製品技術
- 内部構造の開発
独自の『O.A.Cミキサー』
- ダルマオーディオが求めているものは人々に迫力を与え、臨場感溢れ、まるて自分の耳の隣で小さな交響楽演奏会が行われているような音質です。単に拘りの材質や独自のドライバー構成だけでは求める効果は得られません。
もう一つ重要な技術は自社開発の『O.A.Cミキサー』です。世界どこのコンサートホールは外部と内部が違います。外部はいかに立派に見せるように建てられますが、
内部のコンサートホールはいかに観客にもっと楽に音楽を楽しんでもらうかを目的にデザインされます。これと同様、T-800は外観デザインは高級感と装着感優先ですが、
筐体内部に独特形状の『ホール』を設けています。私たちが『O.A.Cミキサー』と呼ぶこのホールは、三つのドライバーからの音をO.A.Cミキサーで集約し、
力強く耳の方向へ送る機能です。壁や天井の材が音を吸収するコンサートホールとは違い、筐体の金属は空気を反射し共振も起こします。『O.A.Cミキサー』は如何に飛び交う空気を集中させ、共振を減らし、力を合わせるかを精密な計算と設計の上に成り立たせたもの技術です。
- ドライバー部分の改良
- T-800はダイナミックドライバー1基とBAドライバー2基のハイブリットイヤホンです。ダイナミックドライバーは自社開発のφ8.5㎜、ベリリウムをベースとした振動板を採用しています。ベリリウムは軽くて硬い特徴により、チタンなど他の金属と比べ音の伝搬速度は2.5倍も早く、
より高音を再生できます。ボイスコイルやマグネットなどのドライバー構成部品も材質やスペックなど長いOEM経験を活かし、「臨場感あふれる」コンセプトに基づき、試行錯誤し完成させました。またBAドライバーはKnowles社製のものを採用しています。
ただKnowles社製BAドライバーと言っても、型番は100種類以上あります。その中から目指す音質に最適な型番を見つける事、また三つのドライバーが如何に、それぞれが担当する再生帯域以外の信号をカットし、
異なるドライバー間の再生帯域をつなぐか、自然で違和感のないように聞こえるか。私たちは困難な問題に挑戦し、乗り越えました。
- ケーブル選定
- ケーブルはスマートフォンやDAPから信号をイヤホンに送るツールです。いろいろなケーブルを聞き比べた結果、限られた予算の中でT-800の開発コンセプトを一番よく表現する銅導体銀メッキのケーブルを採用しました。
- 音質のチューニング技術
- 当製品はダルマオーディオ初の自社ブランド製品です。顧客の要件に応えるOEM案件とは当然違い、全てを自分たちで決めなければなりません。
特に音質の微調整に関してチーム内でも意見が様々に分かれました。そこで私たちは昨年12月初旬、Twitterで『イヤホンにおいて重視する音とは何か』というアンケート調査を実施しました。
実に47%の方々が「バランス重視」を選びました。この結果に基づきイヤホン本体を微調整して、12月14、15日のポタフェスで最終版を出展し、ようやくT-800を完成させました。このようにT-800はハイブリット方式という既存技術でありながら、
職人技で極限までチューンアップしたものです。2019年7月より日本で4回もの展示会に出展して、約300名のオーディオマニアの方々から試聴、意見をいただき、半年にわたって改善をしてきた製品です。